310Sステンレス鋼板
            
            310Sステンレス鋼板は、優れた耐熱性および耐食性を発揮する高性能オーステナイト系クロム・ニッケル鋼の材質であり、約25%のクロムと20%のニッケルを含んでいます。この汎用性の高い素材は、最大1150°Cまでの高温環境での使用に特に適しています。この鋼板の特異な成分構成により、優れた酸化抵抗性を示し、過酷な条件下でも構造的な完全性を維持します。また、カーボナイゼーション(炭素浸透腐食)や硫化に対する耐性に優れており、石油化学プロセスや炉設備用途に最適です。低炭素含有量により溶接性が向上し、高温環境下での炭化物の析出を防ぎます。さらに310S鋼板は、優れた機械的特性を持ち、常温での高い延展性および成形性を備えながら、高温下でもその強度を維持します。このような特性により、熱処理装置や化学プロセス設備など、さまざまな産業用途において不可欠な材料となっています。また、非磁性の性質と使用期間中を通じて安定したオーステナイト組織を維持する能力により、重要な用途においても信頼性が高くなっています。